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トキ野生復帰に向けての専門家会議

2007年6月5日に、「トキ増殖技術現地検討会」が行われ、第一回目のトキの訓練を1歳の7羽、 6月下旬からスタートということが決まりました。
すでに新聞などでも大きく扱われています。いよいよですね。

ところで、この「現地検討会」の前に、トキに関わる3つの重要な会議がトキ交流会館で開かれました。
○5月29日に「第2回 トキ飼育繁殖専門家会合」
○5月30日に「第3回 トキ野生復帰専門家会合」
○同じ5月30日の午後に「第2回 人・トキの共生の島づくり協議会」です。

全国から、鳥の飼育や生態学をはじめ各分野の研究者などが集まって、トキについての検討をしました。
いずれの会議も公開で行われたので傍聴してきました。
この3つの会議は、それぞれに役割があります。
「トキ飼育繁殖専門家会合」と「トキ野生復帰専門家会合」は、会議の名前の通りです。

「トキ飼育繁殖専門家会合」では、トキ保護センターの金子獣医師や、恩賜上野動物園長、茨城自然博物館長、
山階鳥類研究所長など鳥類の専門家が集まりました。
トキ保護センターや野生復帰ステーションでのトキのことのほか、ここでは遺伝子の保全や
分散飼育の考え方などについての検討が行われています。

「トキ野生復帰専門家会合」では、動物学、植物学、生態学や中国のトキの専門家、
兵庫県豊岡のコウノトリ野生復帰の専門家などが集まって、トキの訓練、エサ場など生息環境の整備、
人とトキの関係など社会環境の整備、それにトキを放鳥したあとのモニタリングの方法などについて検討されています。

 野生復帰専門家会議
(トキ野生復帰専門家会合のようす)

そして、「人・トキの共生の島づくり協議会」では、環境省・新潟県・佐渡市・トキの野生復帰連絡協議会のほか、
農協、商工会や観光協会など佐渡の人とトキについての意見交換が行われています。

3つの会議に出て、印象に残ったことを書いておきます。
野生復帰の先輩、兵庫県豊岡市のコウノトリの郷公園研究部長の池田啓さんが、
「大切なのは人間側の訓練です。トキをどうするかばかり考えるのではなくて一番大切なのは
地域社会の中でトキと人がどうつきあっていくかを考えること」と話されていました。
また、議論の中では放鳥後のモニタリングについて専門家が行うものと、住民が参加できるモニタリングと
どちらも大切だという考えが出ていました。
専門家の会議であっても、佐渡市民とトキとのつながりが大事という意見にうれしくなりました。

また、「野生復帰専門家会合」座長の山科鳥類研究所長の山岸哲さんが
「トキのことを知っている人は知っていますが、知らない人はまったく知りません。ここは専門家の方が集まっています。
こういう会議があってまじめに話されているんだということを皆さんが機会あるごとに話して欲しい」と話されていました。
佐渡のなかでもトキのことを知らない人が多い現状も受け入れて
それぞれの専門家に呼びかけてくださっていたのがうれしく思いました。
トキだけでなく佐渡のことも含めて考えている人がたくさんいます。

「人・トキの共生の島づくり協議会」の最後に、元・佐渡とき保護会の会長・佐藤春雄さんが、
「もう二度とトキを佐渡の空で見ることができないと思っていました。今、こんなにみんなが
トキのことを一生懸命話すようになっていて生きててよかったなぁ、毎日毎日がうれしい」と話されていました。
60年に渡ってトキのことを思い続けてきた佐藤さんの言葉に、参加者全員が思いを新たにしたと思います。

佐藤春雄 
(話をする佐藤春雄さん)

[ 掲載日:2007年06月11日 | カテゴリ:活動報告 ]