「秘密の花園」仲のいい駒鳥が繁殖期になったら
トキファンクラブ事務局・アオキです。
バーネット著作の「秘密の花園」(THE SEACRET GARDEN)という物語には、ディコンという少年が出てきます。
ディコンは、一年中、自然の中で遊び、そこに生息している動植たちに親しまれています。動物たちと仲のいいディコンでも、
彼らが繁殖期の時には、付き合い方に注意するそう。ディコンが、友達である駒鳥が巣材を運ぶようすを見て話す場面は、
私たちが鳥たちとの関係を考える参考になるかもしれません。本から一部を抜き出してみましょう。

「おらたち、身動きをしちゃいけねぇだ。息も殺さなけりゃいけねえだよ。おらがこの前あいつを見たとき、奴が嫁さん探していたのを、 おら知ってただ。ありゃ、ベン・ウェザースタッフの駒鳥さ。今、巣つくっているだ。おらたちが討ちでもしなければ、 あいつはこのままここにいるだよ」
「おらたちはあいつをあんまり気をつけて見ているようなふうはしねえことだ。
あいつは今おらたちが奴の邪魔をしてるのだとでも考えたら、もう一生おらたちとは仲よくはしねえだ。今の仕事をすっかり終わるまでは、
あいつもだいぶいつもとはようすが違うだ。
あいつは今、うちを作る仕事をやり始めているだ。いつもよりも用心ぶかくなって、こっちのすることは何でも、すぐに悪くとろうとするだ。
奴は、仲間をたずねたり無駄話しているような暇はちっともねえだよ。おらたちは、もう少しじっと静かにしていて、できるだけ、 おらたちが草や木や藪ででもあるかのようにしてなきゃなんねえだ」
「この、巣をつくるってことも、やっぱり春の仕事のうちに入るだ。たしかに、世界のはじまりから、
こういうことは毎年同じように続けられてきたと思うだ。奴らには奴ら自身のものの考え方ややり方があるだから、
人はおせっかい焼かねえ方がいいだ。春にはあんまり根ほり葉ほり聞きたがると、ほかの季節とは違って、
友達と気まずくなってしまう心配があるだよ」

(2008年 順化ケージでのトキの繁殖)写真提供:環境省
とのこと。長年、トキの保護活動に努めていらっしゃる佐藤春雄さんは、繁殖期のトキとの関わりについて、 関心は持っていてもトキを気遣って無関心を装う「関心の無関心」と話してくださいました。「惚れていても惚れないそぶり」 ともおっしゃっていました。常に気はかけつつ、愛情があるからこそ、そっとしておくということですね。
さて、この時期の佐渡はというと、春を迎えて、田畑の準備、春祭り、人事異動、新生活などなど、いろんなことがあって、
鳥や動植物だけでなく、島の人々も忙しそうです。

(参考にした本)
『秘密の花園』
作:バーネット
訳:龍口直太郎
出版社:新潮社
発行:昭和29年
トキ・メッセージ15 佐藤春雄さん
http://toki-sado.jp/fanclub/0500/15.html
[ 掲載日:2010年03月26日 | カテゴリ:トキのこと ]
