■ 放鳥トキ1カ月のまとめ
2008年9月25日に佐渡で10羽のトキが放鳥されてから1カ月が経ちました。
環境省では、トキモニタリング専門チームが放鳥したトキの調査を行っています。この1カ月間のまとめが発表されました。
調査は、トキモニタリング専門チームを中心に、衛星追跡、環境省の研修を受けたトキモニターボランティア、
市民からのトキ目撃情報などによって行われています。観察データは10月24日までに430件を超えました。

(写真提供:環境省)
これまでに、10羽のうち8羽のトキが識別・確認されています。主に確認された場所は、
佐渡島の南側・小佐渡山脈の山すそと、加茂湖の周辺です。
8羽とも十分にエサを食べ、力強い飛翔のようすが確認されています。
ほとんどの個体は放鳥場所より半径10キロメートルほど離れたところで分散し、
一部の個体は30キロメートル離れたところでも確認されています。

(新穂地区で飛翔する2羽のトキ 写真提供:環境省)
エサを食べる場所は稲刈り後の水田や畦が多く、ドジョウやミミズ、昆虫類を食べています。
8羽のうち4羽は行動範囲が落ち着きつつあり、 10月17日には初めて2羽が一緒に飛翔するようすが確認されました。トキたちの自然環境への順化がすすみつつあるようです。
トキは、平地と山林の境界周辺や谷地形でよく目撃されました。
人目につきにくい林内や棚田で行動するトキも多く、観察が難しい場合もあることが分かりました。
環境省では、今後もトキモニタリング専門チームを中心に佐渡住民などの協力を得ながらモニタリングを継続し、
専門家の意見をふまえて具体的な分析・評価を行う予定です。

(トキが探餌した休耕田でみられた足跡 写真提供:環境省)
なお、10月27日の朝、新潟県胎内市富岡地区で「(車で)走行中、
道路脇の水たまりから羽の色がサギとは微妙に違い(トキ色)、羽根に緑色の着色がある鳥が飛び立った」との情報が寄せられており、現在、
環境省関東地方環境事務所新潟事務所が目撃情報の収集を行っています。
新潟県(本州)でトキを目撃された方は,環境省新潟事務所 (025-249-7575) まで情報をお寄せください。
市民からのトキ目撃情報がトキ交流会館へ集まっています。
トキ交流会館ではトキ目撃情報を受け付けています。1日に平均5件ほどの情報が寄せられます。トキの情報を会館まで伝えに来たり、
写真を持参される方もいます。交流会館に集まった情報はモニタリング専門チームに渡されます。

(トキ交流会館へトキ目撃情報を伝えに来た市民の方)
トキを見た市民の声
トキを見かけた市民の方も続出中です。トキを見た方にインタビューしました。
●久知河内地区
「久知河内ホタルの会」菊池秀夫さん菊池茂雄さん
「トキは、稲を刈ったあとの田んぼと、別の日にはビオトープにいました。トキを見て、小さかったころに見ていた情景を思い出しました。
トキが採餌していたビオトープは生きものが豊富な場所です。久知河内には冬場も水が凍らないビオトープがあるので、空から見つけて、
冬の時期にエサ場として来て欲しいです」

(久知川流域の水田にいたトキとアオサギ 写真提供:環境省)
●佐渡市立前浜小学校5、6年生
「2階の教室で授業中、黒板から目をそらして外を見るとトキが1羽飛んでいました。『あ、トキが飛んでる!』と言うとみんな外を見ました。
トキは野浦川に沿って山の方から海の方角へ行きました」「トキ色がすごくきれいでした。自由にとぶトキを見て、トキはいいなと思いました」
「来てくれて嬉しかった。元気よく羽ばたいていました」
●羽茂地区 柿農家のおばあさん
「柿畑でおけさ柿の収穫をしていたら、向こうに見える田んぼでトキがひょこひょこと歩いていました。
驚かせてはいけないから黙って柿もぎをしました。2かご収穫したところでトキが飛びました。電線のすぐ上くらいを、
青い空と白い雲を背景に私の頭の上をすうーっと飛んでいきました。トキが羽を広げた色は柿色に見えて、それはきれいでした。
とっても幸せな日でした」
