■ 畑や水路など、順化ケージ内の環境が多様に
5羽のトキが訓練中の野生復帰ステーション順化ケージ内には佐渡の自然が再現されていますが、 来年の秋に予定されている試験放鳥までに、より多様な環境下で訓練を行うため、2007年12月18日(火)、田んぼの一部を畑にし、 水路などの環境を新たに整備しました。
トキの野生復帰連絡協議会会長で農家の高野毅さんと、環境省佐渡自然保護官事務所自然保護官の岩浅有記さんがそれぞれ青、 黄色のレインコート、佐渡トキ保護センター獣医師の金子良則さんはいつもの作業服を着て作業をしました。 今回の改修作業は人に対して過剰に反応しないようにするトキの人馴れ訓練も兼ねています。
10月に行われた稲刈りの際には、トキ5羽は人影を見つけるとすぐにケージ一番奥のとまり木に避難しましたが、 今回は3人がケージの入口へ立ってもケージいっぱいに旋回飛行を続けていました。金子獣医師によると 「不安定な飛び方でないのでパニックになっている様子ではないです。安定して飛んでいますよ。」とのこと。 3人はしばらく入口でトキのようすを見守ったあと、ケージ下から2番目の田んぼへ向かいクワを使って作業を始めました。
冷たい小雨の中でしたが、現役農家の高野さんだけでなく、岩浅自然保護官も金子獣医師も農作業は手慣れたもので、
クワで土を掘り起こし、畑と水路を設け、田んぼのまわりには一年を通して水辺の生き物のすみかとなる江(承水路)を作りました。
トキは人が入って10分ほどの間ケージの奥で飛んでいましたが、そのうち一番奥のとまり木にとまって羽づくろいを続けました。
3人は2時間ほどの作業を終えてケージから出てくると、寒さで手を真っ赤にし、顔には泥がついていました。岩浅自然保護官は
「コートの色は高野さんとも相談して佐渡の人が一般によく用いる色にしました。作業を始めると間もなくトキも落ち着いたようすでした」
と話しました。
好奇心旺盛なトキたちは、作業後1時間もすると、さっそく作業あとの土や水路に降りてエサを探していました。
野生復帰ステーションでは、トキの野生順化訓練の様子を見ながら、必要に応じて今後もケージ内の環境を改善していく予定です。




