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■ 報告 12月14日「トキ試験放鳥・市民集い」

放鳥トキの経過について
(放鳥トキの状況について)

2008年12月14日(日)、佐渡市主催で「トキ試験放鳥・市民の集い」を開催しました。この集いでは、 試験放鳥されたトキの近況を市民にお知らせするとともに、高野宏一郎・佐渡市長が市民と、 佐渡で人とトキとが共生していくための方向について話し合いました。
まず、環境省佐渡自然保護官事務所の野生生物専門員・越田智恵子さんが、トキ放鳥の経過や、確認されているトキの状況を報告しました。
次に、環境省のモニタリング(追跡調査)チームとともにトキモニターボランティアとしてトキの調査をしている、 日本野鳥の会佐渡支部の副支部長・土屋正起さんが活動報告をしました。2008年9月25日に10羽のトキが試験放鳥された当日、雨が降り、 トキがそれぞれに行動したため、追跡が困難であったことなどを振り返りました。これまでの観察から、トキがミミズをよく食べたり、 農道に出るなど、新たな発見が続いています。市民からのトキ目撃情報は、モニタリングに大きく貢献しており、 トキだと確信を持てなくてもトキ交流会館へぜひ情報を寄せてほしい、と呼びかけました。

「モニタリング活動報告」土屋正起さん
(土屋正起さん報告)

「市長と語ろう『トキ放鳥と佐渡』」では、NPO法人トキどき応援団・事務局長の仲川純子さんがコーディネーターとなり、高野市長や、 トキ野生復帰にむけて取り組んできた活動団体など7人のパネリストたちの意見発表と、市民との意見交換を行いました。

パネリストの元・佐渡トキ保護センター長・近辻宏帰さんは、「10羽のうち9羽まで所在確認されていることは、 トキたちが能力を発揮し、また、地域の人に守られてきた結果。大変いいことだと思っています」と話しました。
佐渡トキの田んぼを守る会・会長の斎藤真一郎さんは、「現在のところ、トキは里山のある田んぼに来ているようです。 生きものを育む農法をしている農家の方々から、田んぼに生きものが増えてないのでは、と聞かれることがありますが、 田んぼに生きものの暮らす環境を作ったからといって、すぐに命が生まれるわけではありません。今後も、 持続的に命を育む環境づくりを取り組んでいかなければいけないと思っています」と話しました。NPO法人トキどき応援団・ 理事長の計良武彦さんは、「トキ野生復帰にむけての活動をしていた以外の地域では、とまどいもあるようです。今の状況を、できるだけ早く、 島民全体に伝える取り組みをしましょう」と話し、
トキの野生復帰連絡協議会・会長の高野毅さんは、「トキが広い地域に飛んでいます。 これまで以上に島内の広い範囲で地域づくりや里山整備を行うことが必要です」と話しました。岩首談義所の大石惣一郎さんは、 「2007年から、旧小学校校舎を“トキと棚田の情報発信基地”として活用し、のべ4000人が出入りしました。 これからもトキをきっかけとして地域の環境保全や活性化につなげていきたい」と話し、佐渡とき保護会・会長の坂田金正さんは、「島内で、 ドジョウの養殖の研究会を立ち上げました。佐渡のトキには、佐渡産のドジョウを食べてもらいたいし、減反対策としてドジョウ養殖もあります」 と紹介しました。

パネリスト
(市長と語ろう『トキ放鳥と佐渡』)

市民からは、「トキのエサ場となるよう、生きものが増えるビオトープの作り方を教えてほしい」や、 「私たちの地区に来ているトキがエサ場にしている田んぼは、昔からの小さな田んぼです。そういった田んぼは、農作業や維持が大変で、 お年寄りが何とかがんばって作っています。トキだけでなく、佐渡の人も豊かに暮らせる佐渡にしたい」などの意見が出ました。
また、「写真を撮るためにトキに近寄りすぎる人がいる。トキが心配だし、田んぼの畦を踏まれて畦が壊れてしまう」 「トキを遠くから見ているだけでいいのでしょうか」など、トキを心配する声や、トキとの関わり方についての意見などもありました。

会場には、これまでトキの取り組みに関わっていた人だけでなく、これからトキに関わろうとする人、住んでいる地区にトキが来た人など、 さまざまな立場の市民が集まりいろいろな意見が出ました。

放鳥トキ写真
(放鳥したトキの写真も展示されました)

高野市長は、「市民の方々と本心で話せてうれしく感じました。佐渡の自然に放たれ、今後も放たれるトキと、私たちがどう向き合うか、 また、佐渡市として今後何をすべきかについて、市民で議論し、意思を明確にするときだと思います。そして、 佐渡市民自らの力でトキに対応していく仕組みを作っていかなくてはいけません」と決意を話しました。

[ 掲載日 2008年12月26日 | おしらせ ▼ひとつ前へ戻る ▲ひとつ次へ進む ]