■ トキとの共生をめざしたお米が金賞受賞
お米の味を競う国際大会「第10回米・食味分析鑑定コンクール」で、佐渡トキの田んぼを守る会のメンバー・仲村昭男さんのお米が、
平成20年度の金賞を受賞しました。このコンクールでの金賞受賞は、佐渡で初めてのことです。
この大会は、「米・食味鑑定士協会」主催で、平成20年11月24、25日に、山形県南陽市で開催されました。
全国から2600以上のお米が出品され、機械による味の鑑定や、審査員30名の試食による審査が行われました。その結果、仲村昭男さんの、
農薬と化学肥料を使わないで栽培した佐渡産コシヒカリが、総合部門の金賞に選ばれました。

(受賞者の仲村昭男さん)
仲村さんは、佐渡市金丸地区にある(有)金丸みのりファームの代表です。また、
トキのエサ場環境にもなる田んぼづくりを目指しているグループ「佐渡トキの田んぼを守る会」のメンバーでもあります。
今回出品したお米のおいしさの決め手は、同会がきっかけとなった「乾燥おから」だとか。仲村さんが環境保全型の農業を始め、
金賞を受賞するまでのいきさつについてお話を聞きました。
(聞き取り:佐渡トキファンクラブ)
●稲作に対する見方が変わった
私は、平成5年から専業で稲作をしています。以前は農薬や化学肥料を使うことを気にしたことはありませんでした。田んぼは稲だけがあって、
ほかの草は1本もあってはいけないし、化学肥料を与えれば稲は大きく育つのだと、そう思っていました。
平成15年に、現在の会長である斎藤真一郎さんに誘われて、佐渡トキの田んぼを守る会に入りました。会に入って初めて、「環境に配慮する」
ということを知りました。農薬も化学肥料も使わない米作りをしてみると、育った稲の姿は、本当に美しいものでした。稲から穂が出たとき、
これまでのような、茎と穂が細くてずんどうの姿ではなく、稲が、しっかりとした茎からたくましく穂を広げていたのです。それ以来、
稲作に対する見方が変わり、田んぼに草が生えていることも、稲にいいのだと思うようになりました。

(受賞したお米で作ったおにぎり)
●「乾燥おから」
で草と共存
今回出品したお米のおいしさの決め手となったのは、乾燥おからです。市内にあるお豆腐屋さんの大豆カス(おから)に、酵素を混ぜて、
機械で1日温めると完成します。
この乾燥おからは、田んぼにまくと抑草効果があります。秋には田んぼにコナギという草が生えますが、
そのころは稲のほうが大きく成長していて負けません。「コナギは田んぼの土がよい証」と聞きます。稲が負けさえしなければ、
草が生えていても大丈夫です。むしろ、コナギが生えている田んぼの方が、お米がおいしくなる気がします。
農薬を減らすと、雑草が生えて、田んぼの中に入って除草するのが大変といいます。私は「楽農」を目指して、乾燥おからを使うことで、
草取りに入らないでもいい工夫をしています。

(乾燥おから。これを田んぼに撒きます)
●佐渡トキの田んぼを守る会の仲間たち
乾燥おからのことを知ったのは、
3年前、会長の斎藤さんが、他の地域での取り組みを知らせてくれたのがきっかけです。さっそく、滋賀県の会社から購入し、
今年3月からは機械も購入して本格的に製造と使用を始めました。
佐渡トキの田んぼを守る会でのつながりは大きな力です。1人では、1年に1回しか米作りを経験できませんが、10人いれば、
1年に10回米作りをしているのと同じことです。それぞれが取り組んでいることから、いい結果や悪い結果、
アドバイスを聞けたりして勉強になります。もちろん、みんなでお酒を飲むのも楽しみです。
●今後の目標
今回、
金賞を受賞したことで、農薬や化学肥料を使わなくても、美味しいお米がとれるといいうことが示せました。環境にやさしくて、
なおかつ美味しい。これは最高ですね。
平成17年に、私は役員3人で(有)金丸みのりファームを設立し、金丸地区の12名の農地を借りて耕作しています。
今後は30haの全耕地で、農薬も化学肥料も使用しない米作りができるよう取り組んでいきたいです。
それと、「楽農」をモットーに、これからも米作りを、楽して、楽しんで行いたいと思います。親が楽しそうだと、後進たちも「俺もやろうかな」
と思うようになるでしょう。
私が育った金丸地区は、佐渡の国仲平野にあって、田んぼが広がっている地域です。この金丸地区の田園風景をいつまでも残したいです。
○佐渡トキの田んぼを守る会のお米は、
協同組合米ネットワーク新潟(http://www.komenet-niigata.or.jp/)
の通信販売、または、
東京都にあるNPO法人メダカのがっこう・おむすび茶屋(http://medaka-omusubi.seesaa.net/)
の店頭で購入いただけます。※おむすび茶屋での販売期間は、2009年1月中旬ごろまでです。
