■ 寄稿「シロウオ(イサザ)の踊り食い」近辻宏帰
佐渡では、春を迎えると河川にイサザが遡上します。近辻宏帰さんがイサザの遡上と鳥たちの行動ついて寄稿してくださいました。
「シロウオ(イサザ)の踊り食い」
文・写真/近辻宏帰(元佐渡トキ保護センター長、財団法人日本鳥類保護連盟参与)
青くきらめく川面、岸辺にたたずむセイタカシギ、じっと水面に目を凝らしている。突然舞い踊るようなしぐさで細くて長い嘴(くちばし)
をスイと水中へ、その先端にはピチピチとはねる透明な小魚が。シロウオ(イサザ)だ。まさにイサザの踊り食い。
その採餌行動を目の当たりにして触発され、無性にイサザの踊り食いがしたくなり、スーパーに走った私。
ちょいと大きめのぐい呑みの器にウズラの卵を落とし、生きたイサザを数匹投入。醤油をチョビッとたらすと飛び跳ねる透明な小魚。
噛み締めると淡白だが、早春の佐渡の旬の味覚が口中に広がった。
小動物を鵜呑みにする鳥たちはみな踊り食いをしているのですね。試験放鳥されたトキもドジョウの踊り食いが得意。
踊り食いと称してイサザを食べた先人は、水辺の鳥の採餌風景にヒントを得たのかもしれない。
この季節のサギ・シギ・カモメたちは、河川の河口部などに陣取って遡上するイサザ漁にいそしんでいる。
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イサザの踊り食いを確認した鳥種-
アカガシラサギ、ダイサギ、アオサギ、セイタカシギ、ホイグリンカモメ、ウミネコ、カワセミ
セグロカモメ、カモメも渚で狙っている。もぐり食いというか潜水して漁をするミミカイツブリ(夏羽)、ウミアイサ、
頭部を突っ込んで探るヒドリガモの群れも。
佐渡の春は、桜の開花より早く、水辺、水鳥たちのイサザ漁から始まっている。
注1:シロウオ(イサザ)
体長3~4センチ。東京湾や青森県の小川原湖で獲れるシラウオとは別種。
イサザは、ハゼ科の魚。生体はあめ色で透明だが、死亡すると白くなる。その名の由来か。





