■ 新緑の森に映える赤い鳥、アカショウビン
緑がまぶしい季節、小佐渡山地、生椿の深い森の中を歩いていると、どこからともなく「キョロロー、キョロロー」
という鳥の鳴き声が聞こえてきます。声の主を探しても、暗い森の中ではなかなか見つけることはできません。静かに姿を現すのを待っていると、
運がよければ、赤い鳥が木立をぬうように直線的に飛び、枝にとまってこちらを警戒する姿を垣間見ることができます。
この赤い鳥が、森にすむカワセミの仲間、アカショウビンです。
佐渡には夏鳥として山地の落葉広葉樹林に渡来し、繁殖しています。
近年は奥山ばかりでなく山麓の集落近くでも鳴き声を聞くことができるようになりました。
薪炭林として20年くらいの周期で伐採されていた里山の林が手付かずのまま原生林のようになり、
深い森にすむアカショウビンには好適な環境に変わってきているのでしょう。
2002年8月、旧羽茂町の山里にある民家で繁殖したアカショウビンは、
納屋の軒下に作られたスズメバチの大きな古巣に巣穴をほってヒナを育てていました。
巣立ちが近いのか巣穴の中からはヒナの大きな鳴き声が聞こえ、親鳥が15分くらいの間隔で嘴に餌をくわえて来て、巣穴に運び込んでいました。
裏山の森から運んでくる餌は、ほとんどがモリアオガエルでした。

(アカショウビン 撮影地 旧羽茂町 撮影年月日 2002年8月)

(ヒナに与えるモリアオガエルをくわえている)
日本野鳥の会佐渡支部 近藤健一郎
