■ カエルが好物のタカ、サシバ
サシバ、ヒクイナ、ヨタカ。いずれも人里で普通に見られた夏鳥たちです。過去形になるのは、
いずれの種も近年著しく渡来数が減少しており、2006年の環境省レッドリスト改訂ではそれまでリストに掲載されていなかった3種が
「絶滅のおそれが増大している種」として「絶滅危惧Ⅱ類」にランクされました。
サシバはカラスくらいの大きさをしたタカで、夏鳥として4月上旬に渡来し、9月には越冬地である東南アジアに渡り去ります。
ハチクマとともに秋に大きな群れをつくり日本列島沿いを越冬地に向けて南下する「鷹渡り」をするタカとしても知られています。
東日本の里山では比較的数が多いタカですが、佐渡ではもともと渡来数が少なく、生息地は限られています。
山あいにある農耕地の周辺にすみ、カエルやヘビ、トカゲなどの小動物を主食にしています。
1994年中津川上流の渓谷でサシバの繁殖を佐渡で初めて確認しました。この繁殖地は1997年まで継続しました。しかし、
重要な餌場である谷あいの水田は米の減反政策が強化されるにつれて荒れはじめ、
それに追い討ちをかけるように巣をつくっていたアカマツ林が松くい虫の被害でほぼ全滅してしまいました。
餌場と営巣林を失ったサシバはとうとうこの渓谷には渡来しなくなりました。
水田稲作という人間活動に依存していた鳥たちが、山里の農林業が衰退することにより私たちの周りから姿を消しています。
このままの状態が続くと、サシバやヒクイナ、
ヨタカなど身近にすんでいた夏鳥たちが人知れずいなくなってしまうのもそう遠いことではないかもしれません。

(巣に給餌に飛来したオス 撮影地 旧金井町中興 撮影年月日 1994年6月)
日本野鳥の会佐渡支部 近藤健一郎
