■ トキの天敵だけど大切なオオタカ
オオタカは丘陵地や低山の森林にすむ中型のタカ類で、ハトからキジくらいの大きさの鳥を主食にしています。
人間の生活圏に比較的近い森にすんでいますが、数が少ないことと林の中で行動すること、行動の範囲が広いことから姿を見ることはまれです。
冬期は開けた場所に現れることがあり、見られる機会が多くなります。
身近な森林に生息するために、ゴルフ場や宅地開発による生息環境の悪化、密猟などの影響を受けやすく、一時は数が減少して、
環境省の日本版レッドリストでは絶滅危惧種にランクされていました。しかし、最近の生息状況調査により、
密猟の監視や生息地の保全活動による効果もあって個体数が回復し、準絶滅危惧種にランクが下げられました。とはいえ、
まだまだ絶滅の危険性がなくなったわけではありません。

佐渡でもオオタカは留鳥として周年生息しています。生息数が少ないために、最近まで繁殖は確認されませんでしたが、
2004年の繁殖期に金北山南麓のスギ林で巣が見つかり、2羽のヒナが巣立ちして、佐渡でも繁殖していることが判明しました。
2005年7月には、新穂潟上にある養鶏場の鶏舎に足輪をつけたオオタカが迷い込んで保護されました。足輪の環境庁(当時)記号番号から、
この個体は1992年6月に石川県小松市近郊でヒナの時に足輪をつけられたメスであることが分かりました。
直線距離でおよそ250kmも離れた佐渡に渡来して定着し、13年以上も生きているという貴重なデータを提供してくれました。
オオタカは、トキの天敵のひとつと考えられていますが、どちらも大切な生態系の一員です。
日本野鳥の会佐渡支部 近藤健一郎
