■ 畦と鳥と -春編-
マガンなどの冬鳥が北へと旅立ちはじめた国中平野では、ヒバリの朗らかなさえずりがそこかしこから聞こえてきます。ヒバリは告天使
(こうてんし)とも呼ばれ、空高く飛び上がってさえずり、春が来たことを一番に告げる鳥です。
早いところでは農作業がそろそろ始まり、トラクターに付けた機械で畦ぬりをする農家も見られます。
【春の畦】

ヒバリ
田園の春を代表する鳥ですが、近年、都市周辺では著しく減少していることがわかりました。
宅地開発等により郊外にある水田や畑の面積が減少していることが原因と考えられています。国中平野ではまだ普通に見られる鳥で、
大空に舞い上がりさえずるヒバリの姿は春の風物詩の一つです。畦に立てられた杭の上でさえずるヒバリもいて、夢中でさえずっているときは、
人が近づいても逃げないことがあります。(撮影:2002年5月 八幡地区)

ツグミ
国中平野には繁殖地に渡り去る前に大挙して姿を現します。畦の上を足早に歩いて、時折立ち止り、地面からミミズを掘り出して食べています。
冬の間は鋭い声で「クイッ、クイッ」と鳴くだけですが、5月のゴールデンウィーク頃には、
ツグミ類独特の複雑な美しいさえずりを聞くことができます。(撮影:2003年5月 鷲崎)

ダイシャクシギ
下方に湾曲した長いくちばし(約15cm)は、柔らかい泥の中から触覚で餌を探し出してつまみあげるのに適しています。
ダイシャクシギほど細長くありませんが、トキのくちばし(約17㎝)も同じような形をしています。繁殖地と越冬地を行き来する途中、春と秋、
太平洋岸にある広大な干潟に群れをつくり立ち寄るダイシャクシギ。早春、時たま国中平野にも飛来することがあります。この時は、
畦きりをしたばかりの畦際を歩きながら時々長いくちばしを土の中に差し入れて餌をつまみあげて食べていました。
土深く差し込むために長いくちばしは基部まで泥で汚れています。干潟ではカニやゴカイなどの底生生物が主な餌になりますが、
水田ではケラやミミズなどを食べています。(撮影:1998年3月 金丸地区)

アマサギ
亜麻色のサギで、亜麻色になるのは繁殖期だけ。冬羽は全身白いシラサギに変身します。
国中平野には田植えの頃に渡って来ます。畦に沿って歩きながら昆虫や水生動物を捕食します(撮影:2009年5月 泉地区)。英語では
Cattle Egret 。牧場で草を食む家畜の後をついて歩き、飛び出して来るバッタなどの昆虫を食べる習性から名づけられたものです。
国中平野の田んぼでは耕うんするトラクターのロータリーの後を追いかけ、
耕された地面から昆虫を効率よく捕食する姿を観察することができます(撮影:2008年5月 長木地区)。
牛からトラクターに乗りかえた賢いアマサギたちです。

日本野鳥の会佐渡支部 近藤健一郎
