■ 佐渡にいる鳥たち~草原が好きな絶滅危惧種コジュリン
コジュリンはホオジロ科に属するスズメくらいの大きさの小鳥です。黒頭巾(くろずきん)
をかぶったような特徴のある姿は繁殖期のオスだけの羽色で、オスの冬羽とメスは頭が黒くなく、目立たない地味な羽色をしています。
中国東北部からウスリー、朝鮮半島、日本列島にかけて、極東の限られた地域に分布する世界的な希少種で、
環境省のレッドリストでは絶滅の危険が増大している種「絶滅危惧Ⅱ類」にランクされています。
コジュリンが住んでいる環境は、湖沼や河川、水田の周辺にある草丈が低い草原です。
佐渡では国中平野の水田地帯に少数が生息しており、繁殖期には転作のために休耕して草地になっている水田で見られます。
大面積の土地改良工事が行われる区域では、工事の年には稲を作らずに着工までの期間の水田は放置されるために、
コジュリンの繁殖に適した広大な草原が出現します。2001年に佐渡の八幡地区で実施されたほ場整備工事では、
この区域が数つがいのコジュリンが繁殖したことが確認されています。
現在、国中平野では大規模な土地改良工事がほぼ終わりました。
そのためコジュリンが好む耕作放棄されて間もない休耕田の面積が減少しています。
休耕して何年も経っている場所では草丈が高くなるためにコジュリンには向かなくなります。
トキと同じくコジュリンのためもある程度人の手が入っている場所が必要です。
畦に立てられた竹杭の上で日がな一日さえずり続ける黒頭巾のコジュリンを観察する機会も少なくなりました。
トキの野生復帰のためのビオトープづくり活動は、周辺に新しい草地を生み出し、コジュリンにとっても大切な環境づくりになります。

日本野鳥の会佐渡支部 近藤健一郎
