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■ トキ・メッセージ6 NPO法人トキどき応援団

NPO法人トキどき応援団は人とトキが共生する佐渡を目指して活動するボランティア団体です。
旧トキ保護センターがあった清水平地区を拠点にトキのエサ場づくりを行うほか、探鳥会や勉強会、他団体との交流など、 さまざまな面から一年を通してトキがすめる環境づくりをすすめています。「無理しないで自分のペースで参加しよう」 をモットーに活動するトキどき応援団について、事務局の仲川純子さんと会員で探鳥会の講師もされる土屋正起さんにお話を聞きました。
(インタビュー・文責:トキファンクラブ事務局)

03年清水平
(平成15年の清水平のようす)

●“ トキのために何かしたい”から始まった

平成13年に新潟県がトキの野生復帰を目指して佐渡の環境を考えるワーキンググループを開きました。その会議で 「トキの森公園でトキの話をするボランティアガイドがいるといいな」という意見があがりました。そこで、 トキガイドの養成を目的とした民間のグループを作ろうということになりました。 トキのことを勉強するほかにボランティアでトキのためのビオトープづくりをしようということになり、 平成14年にトキの森公園内でトキの模型のある田んぼをビオトープとして整備しました。 トキや佐渡の環境のために何かができればいいなと思っていた多くの人が参加者募集を聞きつけて集まり、 トキと人の共生を目指して活動をする団体をつくろうと呼びかけることになりました。
 
平成14年6月に設立総会を開き、誰でも無理せずトキのための活動をする団体ができました。
トキの森公園のビオトープづくりに参加してくれた人や、トキや環境のことに興味があった人など70名が会員となりました。このときに 「トキどき応援団」という名前が決まったのは会の立ち上げに関わった一人で元・ 佐渡トキ保護センターの職員である横山さんのダジャレからです。
「トキどき応援団」というのは誰もが長く活動を続けていくために「ときどき」 というくらいのゆるやかな気持ちで取り組もうという会の趣旨が込められています。「必ずこれやろう!」と意気込むと、 トキとの共生を目指しての活動は息が続きません。
ときどき応援してくれればいいような会、 気楽に誰でも参加できるような会にしようというのがトキどき応援団ができたときからの変わらない方針です。 
トキどき応援団設立のさいに活動内容を「作業」「勉強会」「交流」の三本柱としました。トキのためのエサ餌場作り作業と、 トキのことを知る勉強会に、他団体との交流も加えました。

07年清水平 
(平成19年 現在の清水平のようす)

●清水平を再びトキの舞い降りる場所に
トキどき応援団ではどこかに拠点をもって活動をすすめたいという思いがありました。
佐渡トキ保護センターは平成5年まで新穂・清水平地区にありました。センターが現在の新穂・長畝地区に移転したあと、 清水平は荒れ果ててしまっていました。そこで清水平をトキが再び来て住めるような場所にしようと整備作業が始まりました。 はじめは一面が草に覆われていて、ビオトープなどイメージもつきませんでした。一日かけて草を刈ってみると、田んぼのアゼ(畦) らしいものがでてきました。みんなで作業を重ねていくうちに、もとの田んぼのかたちの見えるようになりました。
トキどき応援団は設立当初から一年を通して毎月作業を行い、清水平は私たちにとって環境整備の拠点となっています。
清水平はトキの保護が始まり、1967年(昭和42年)に旧・トキ保護センターが建てられ、 トキの保護と繁殖の努力が重ねられていた場所です。その歴史を残していきたいという思いもあります。

●私たちの生活全体がトキにつながる
現在のトキどき応援団の活動は、勉強会、野外作業、探鳥会などが中心です。他団体との交流会や、 企業研修を受け入れてトキのエサ場づくりを行っています。勉強会はテーマを決めて専門の方に話を聞きます。トキのことや佐渡の地質、 環境保全型農業など幅広い内容の勉強会です。トキと人が共に生きる佐渡を目指すにはトキについてだけを勉強しているのでは不十分です。 日常生活にトキが入ってくるのですから、佐渡の歴史や観光、農業など、生活全体について考える必要があり、 佐渡の将来を考えることも必要です。トキどき応援団の勉強会やその他の活動は、 会員以外の人にも気軽に参加してほしいという思いから参加費は無料です。

生き物調査行進
(生きもの調査へむかう子どもたち)

●トキどき応援団は人々の接点

トキどき応援団の会員は現在180名ほどになっています。知人の誘いや、個人で興味を持ってきた方もいます。 トキどき応援団が紹介されている新聞記事を読んで集まった人もいます。職業も住んでいる場所もさまざまです。 島外から来た方も地元出身の会員もいます。地元の人は恥ずかしがり屋なのか、はじめは活動を見守っていますが一緒に活動をすると、 何事にも一生懸命で親身になって活動してくれます。佐渡のことや作業のしかたを教えてもらえる力強い存在です。

トキどき応援団の活動は誰でも参加可能なので、会員でなくても興味をもって参加される方がいます。一緒に作業や勉強会をするなかで 「野鳥の会やっているよ」「トキどき応援団やっているよ」と紹介するうちにトキどき応援団や他の活動団体などに入ることもあり、 人がつながっていきます。トキどき応援団の会員が他の会にも参加することも多いです。たとえば、佐渡市の不法投棄監視委員になり 「トキどき応援団で不法投棄見つけたら教えてよ」と新たな活動の場を広げている方もいます。トキどき応援団は人にも活動にも “こうあらねばならない”ということが何にもないので、自然と人が交じり合い、活動の幅も広がっていくのだと思います。 トキと共生する佐渡を目指すうえでもとてもよいことだと思います。
トキどき応援団には他の団体と平行して活動している人もたくさんいます。会員の斎藤真一郎さんは「トキの田んぼを守る会」の会長、 三浦正道さんはトキどき応援団の副理事であり「月布施を考える会」の代表です。

企業研修のようす
(大人もみんな作業に熱中)

●連携 をしてトキや環境について取り組もう

トキどき応援団の三本柱のひとつに他の団体との連携があります。 少なくとも島内の環境やトキのための活動を行っている団体がつながりをもってトキと共生する島づくりを進めていきたいです。
ひとつの団体だけでは解決できないとき、他のグループと協力することができれば活動がより前進すると思います。 また多様な団体と連携をとることによってトキのすむ佐渡をいろいろの角度から実現できると思います。
トキのエサ場を考えても多様性が必要です。1カ所にエサ場が集まっているのではトキにとっても、 そこにすむ生きものにとっても良い環境とはいえません。生きもののネットワークをつくるには、 まず人間同士のネットワークを組むことが必要だと思います。個々の団体が活動する成果は点だとしても、 さまざまなグループとつながりをもって活動していけば、点が線に、線が面になるような大きな成果を得られると思います。

トキどき集合写真

●トキどきの気持ちで一緒に活動しよう
トキどき応援団の活動に参加していろいろな人と知り合ううちに、自分自身の視野が広がりました。 職種も年齢も好みも全員それぞれ違いますが意見の食い違いでもめることもありません。“トキどき応援団の活動はこうあるべき” というものがないですし、無理をしないのがモットーなので意見が異なっても“違っていいんだ”と受け入れます。 合わせようと無理することもありません。だから気楽にいろいろな人とわいわいと活動ができて楽しいです。
トキどき応援団の活動には、いつでも気軽に参加してください。トキのことを知らなくてもいいし、体力も関係ありません。 年齢も性別も何も問いません。車椅子でも大丈夫です。清水平まで行って、 そこの風景を眺めながら好きなことしゃべっているだけでもかまいません。

参加してもらうことによって、大勢の人に少しでもトキに関心を持ってもらえればと思っています。子どもも大人も、 トキの映像やニュースを見たときに「あ、あのトキのところに行ったぞ」と、トキや佐渡の思い出があるといいなと思います。

●トキどき応援団のこれからの活動
私たちは、これまでの活動を無理なく続けていきます。清水平のトキのエサ場はほとんど作ってしまいましたので維持と管理が主です。でも、 新しいエサ場も楽しいので少しずつ広げるつもりです。 重機を用いずみんなの手作業で広げていくのでちょっとした場所にもエサ場をつくることができます。 清水平全体にできたビオトープを維持するのはトキどき応援団だけでは大変です。そこでこれからは自分たちが率先して作業やるほかに、 島外から来た人たちを受け入れて作業をしてもらう取り組みも始めています。
来年放鳥される予定のトキのことを思えばもう少し新たな活動を考える時期になっているかなと思っています。トキの監視員の勉強や、 ビオトープづくりの専門性を高めることなどいろいろありますが、やっぱり無理をしちゃいけないと思っています。

佐藤春雄さんの講話
(トキの話を聞いた勉強会)

●島内外のみなさんへ
トキ以外にも自分たちの身の回りの環境にそれぞれ守らなくてはいけない生きものや、 環境を考えるための指標となる生きものがいると思います。自分たちの住む地域の環境を見つめて、 自分たちのいる地域を良くしていってほしいと思います。トキの野生復帰はトキに関心を持つことが応援になります。 トキどき応援団の活動に参加したい方はいつでも募集中です。 トキと人が共生する島づくりに参加できない方もトキどき応援団の活動やトキや佐渡の動きを見守ってくれることで大きな支えになります。

[ 掲載日 2007年09月06日 | 読みもの ▼ひとつ前へ戻る ▲ひとつ次へ進む ]